妊娠高血圧症

4人目の子を妊娠中、妊娠高血圧症になりました。
症状発覚〜産院移転〜救急車で入院〜緊急手術とバタバタで大変だった時のことを書き記します。

当時のことを思い出すと今でもドキドキして涙が出そうになりますが、現在、妊娠中の方やそのパートナーさん、これから妊娠したい方にお読みいただけると幸いです。

あれは4人目妊娠中 

マタニティ*妊娠7ヶ月目


上の3人も普通分娩で順調に生まれたので、4人目の出産も余裕だろうと思っていた経産婦の私。
食事も特に減塩したりせず、家族と同じものを普通にいただいていました。

妊娠7ヶ月目の検診でも順調な結果だったので、息子②をおんぶしながら元夫②の家業を手伝っていました。
夜遅くまで仕事が入ることもあり、外食やお弁当も増えましたが、元々やせ気味だった私は体重はそんなに増えず食事にはそれほど気を配っていませんでした。


出産後しばらくは育休を取る予定で、パートさんも3人育成して、顧客管理など在宅の仕事を多めにしていましたが…
ある日、起きて顔を洗ったら、なんだかむくんでいる感じ。

家族にむくみのことを聞いても「そんなことないよ。ちょっとふっくらしてるけど、妊婦だからね」
そんな答えだったので「妊娠後期はこんなものかな?」特に疑問に思わず、予定通り家族でお出かけしました。

出産したらしばらくは遠出できないだろうからと、その日は娘①と息子②がお気に入りのテーマパークへ。
朝からみんな張り切って夫が運転する車で出かけました。

テーマパークで感じた異変

好きなキャラクターと写真を撮ったり、舞台のダンスや食事を楽しんだり。
子ども達もニコニコ笑顔で過ごして、テーマパークのショップで買い物をして駐車場へ向かう帰り道。

なんだか足が重たいな……パンツの裾をめくってみると、足がむくんでいることに気がつきます。
「テーマパークで歩きすぎたかも」車に向かう間にもだんだんと重たくなる足。

帰りの車の中では、お行儀が悪いことを承知で、重たい足を持ち上げて座席に乗せて座っていました。
その夜は、温かいお風呂に入り子ども達がむくんだ足をマッサージしてくれてグッスリ休みました。

クチコミで話題 妊娠線ケア【マタニティクリーム】

体中がむくんでる!

妊娠高血圧症でむくんだ足
妊娠高血圧症でむくんだ足



次の日の朝、いつものように起きた私は、鏡を見て驚きます。
「顔が…アンパンマンになってる!!」

パンパンにふくらんだホッペに、ゾウさんのようにむくんでいる足。
それでも夫は「大丈夫、妊婦はこんなもの」とのんきな様子。

明後日、産婦人科の定期検診の予定だから、その時に先生に聞いてみようかな。
まだそんな風に考えていましたが…

お店の手伝いに来たスタッフが、私の顔を見るなり「すぐに病院に行ってください!」
夫は自営業の仕事が入っていたため、お姑さんに上の子達を見てもらって、タクシーで産婦人科へ行きました。

え?私が妊娠高血圧症?

産婦人科へ到着すると、混んでいる待合室。
予約外の診察なので、だいぶ待つかな〜と思いましたが、受付の方が私の顔を見るなり看護師さんを呼んできました。

待合室のソファで血圧を測定しながら「頭が痛んだり目の奥がチカチカしたりしませんか?」と質問。
その時は、浮腫以外の自覚症状はなかったので「大丈夫です」と答えました。

血圧測定の結果は、140/80
それを聞いた私は驚きました。だって普段の私は低血圧で上が80下が50くらいだったから。

「車いす取ってきます!」
ザワザワしている待合室から、車いすに乗って看護師さんに連れられて、尿検査のあと診察室へ。

いつも穏やかな先生が、私の血圧や尿検査の結果を見て、厳しい表情になりました。
「え?私、そんなに悪いの?」ドキドキしながら、先生が妊娠高血圧症の説明をしてくれました。

妊娠高血圧症候群とは?

妊娠高血圧症、昔は妊娠中毒症と呼ばれていたそうです。

高血圧と尿蛋白などの症状が出て、軽い場合は食事療法や安静などで回復するそうですが…
私の場合は尿蛋白が4+で血圧も通常の2倍になっていたので、すぐに赤ちゃんを取り出さないといけない重度の状態でした。

妊娠高血圧症候群とは?
妊娠時に高血圧を発症した場合、妊娠高血圧症候群といいます。妊娠前から高血圧を認める場合、もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠と呼びます。妊娠20週以降に高血圧のみ発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類されます。
この病気は、妊婦さん約20人に1人の割合で起こります。早発型と呼ばれる妊娠34週未満で発症した場合、重症化しやすく注意が必要です。
重症になるとお母さんには血圧上昇、蛋白尿に加えてけいれん発作、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、肝機能障害に溶血と血小板減少を伴うHELLP症候群などを引き起こすことがあります。
また赤ちゃんの発育が悪くなったり、胎盤が子宮の壁からはがれて赤ちゃんに酸素が届かなくなり、赤ちゃんの状態が悪くなり、場合によっては赤ちゃんが亡くなってしまうことがあるなど、妊娠高血圧症候群ではお母さんと赤ちゃん共に大変危険な状態となることがあります。

公益社団法人 日本産婦人科学会HPより抜粋

その時の私は妊娠8ヶ月。
「まだ赤ちゃんを産むのには早いのでは?取り出すって帝王切開ってこと…?」

動揺する私に、看護師さんがなだめるように今後の流れを説明して、それから先生がNICUの設備が整っている大病院に紹介状を書いて、すぐに転院できるよう手配していただきました。

のんきな私に喝!

のんきな私に喝!

本当なら、すぐに紹介された病院に行かないといけなかったと思いますが、元来のんきな私は、一旦家に帰りました。
お姑さんや預けていた子ども達に入院することをお話して、家の片付けをして夕食を作って…

あの時の私に「すぐに病院に行きなさい!」って喝を入れたいほど、家族優先で動いてのんびり入院中の準備をしていたのでした。

仕事から帰ってきた元夫②に、妊娠高血圧症で入院することを話しましたが、それほど重症だと思わなかったようで、翌日も普通通り仕事にでかけたのです。

今なら愛する妻が大変なのに仕事に行くなんてなんて奴!って思いますが、あの時、モラハラ夫に洗脳されていた私は、仕方がないと思っていました。

子ども達を連れて大きな荷物を持って病院に行こうとすると、お見舞いにきてくれたお姑さんが見かねて病院へ付き添ってくれました。
ちょっと苦手なお姑さんだったけれど、この時は心から感謝をしました。

妊娠高血圧症になって緊急帝王切開手術をしたお話②へ続く